盗まれた自転車
息子の自転車が、マンションの駐輪場から盗まれた。
朝部活がある時は、自転車通学が許されている。乗ろうと思ったら自転車がなかったとのこと。
前日は雨降りで自転車は乗っていない。
息子に事情聴取すると、鍵をかけなかったことが度々あったということがわかった。
割とスペックの高い自転車だったのだから、セキュリティは万全にしてもらいたいところだったのに。
私は息子を叱った。
叱ったところで、自転車は返らないので、警察に被害届けを出した。
書類を書くのにも、結構な時間を費やした。しかも、帰りにゲリラ豪雨に見舞われ、散々な思いをした。
息子が自転車で通学できない時は、送り迎えまでしてやった。
そんなある日、1本の電話が。
盗まれた自転車が、自宅から車で30分ぐらいの所で見つかったかもしれないという、匿名のタレコミがあった。わたしは、なんて幸運なんだと思い、既に陽が落ちていた時間にもかかわらず、現場に急いだ。
しかし、探せど探せど、盗まれた自転車は見つからなかった。不審者さながらに懐中電灯を照らしながら、知らない住宅街を自転車を捜し彷徨っていた。一歩間違えば、私が通報されていただろうと、今考えればゾッとする。
結局見つからなかった。
しかしあのタレコミはなんだったのだ?
仕方がないので、息子の自転車を新調した。
盗まれた同じ自転車は高いので、2ランクぐらい下げた自転車にした。それでも、26,600円だ。痛い出費になった。
平和に暮らしていた頃
警察から1本の電話。
被害届けを出されていた自転車が見つかりましたと。
つづく。